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zoom RSS メメント DVDで観賞

<<   作成日時 : 2011/04/02 01:20   >>

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「メメント」が記憶系映画として面白いと聞いて観てみた。SFではなくてミステリー。
率直に言ってSFより難解。ミステリーとして最高。

「メメント」は絶対「メメント・モリ」を意識して題名をつけていると思う。
「メメント・モリ」は「死を記憶せよ」という意味の警句。
現世での楽しみ・贅沢・手柄が空虚でむなしいものであることを強調する意味合いで使われる。現世よりも死後の世界を重視する、宗教色の濃い意味である。
でも、そういった意味になるのはヨーロッパでキリスト教が力を持ってから。
もともと古代ローマでは「食べ、飲め、そして陽気になろう。我々は明日死ぬから」という感じで、死んだらそういうことができないというポジティブというか現世的というか今が大事という真逆の意味合いだった。

それはともかく、この映画、2回観たけどまだ理解しているとは言い難い。

この後「メメント」のネタばれを含むので注意してください。

主人公レナードが、妻を強姦・殺害され自身も犯人に外傷をうけ、事件後新しい記憶が10分間しか保てない記憶障害になってしまう。
この記憶障害のハンデを背負いながら、妻の復讐を遂げるため犯人捜しをするというミステリー。

映画を観ている側もレナードのハンデを味わうために?
ストーリーはラストから始まりへ、時系列が逆に進んでいくという演出。

レナードは10分間しか記憶が保てないので、
自分がなんでここにいるのかなんのつもりで何をしているのか今喋っているのはなぜなのかすぐ分からなくなる。
観ている側も原因が分からず結果から先に知るので、
レナードがなんでここにいるのかなんのつもりで何をしているのか今喋っているのはなぜなのかさっぱり分からない。
レナードになれなれしいテディは胡散臭くて話している内容を信じられないし、
レナード自身も記憶障害だから彼の記憶も信じていいのやら分からないし、
とりあえず妻が殺された時の記憶は大丈夫だろうと観ていると、



罠にはまる。

レナードを取り巻く人達は彼が10分間しか記憶が保てないと分かっているので
それを利用して彼をいいように騙して動かすが、
レナード自身も自分が10分前のことは忘れてしまうということが分かっているので10分後の自分を騙したりするのだ。
コールガールを利用して妻の遺品を燃やすところはびっくりだった。
ひょっとしてあの遺品も、本当は遺品じゃなくて10分後の自分は忘れているからと新しく買ってきたものとか?
もう何回も遺品を燃やしているとか?
このシーンあたりからさすがの私もやっとレナードを疑い出した。

そう、
妻が殺された時の記憶は
レナード自身が改編していたのだ。
本当は妻は襲われはしたが殺されてはいない。
妻はインシュリン過剰投与でレナードが死なせていたのだ。
その記憶がつらくて強姦犯に殺されたと記憶を改編し
インシュリン過剰投与は脳内で作り上げたサミーという男が彼の妻にやったことと信じ込む。
これで罪悪感から解放され、
しかも妻を強姦し殺した犯人に復讐するという生きがいもできる。
一挙両得だ。

実は、レナードはとっくの昔に復讐は遂げている。
強姦犯をテディの協力で見つけて殺している。

しかし、復讐を遂げたという記憶をメモに残すことはせず、
10分後には忘れ、また犯人捜しを始める。

生きがいだから。

復讐を遂げてしまったら生きがいがなくなってしまうから。

これを利用してテディは都合のいい犯人を提供し、
レナードはもう何人も殺してきている。

そして何回目かの犯人捜しの今回、
レナードはターゲットをテディに定めた。
なぜなら、テディがレナードに真実を教えたからだ。
すでに復讐は遂げ、そのあとも何人も殺していること。
そして妻の死の真実。

レナードにとってはきっと妻の死の真実が一番痛かった。
だから、テディを殺してしまえば真実を知っているものはいなくなり、
自分の改編した記憶が間違ったものと指摘するものはいなくなり、
この記憶が自分にとって本当に真実になる。

なのでテディが犯人であるかのようなヒントを10分後の自分にむけて残し、
自分がかつて復讐を遂げて喜んでいる写真を燃やし、
そしてこの映画全編をかけてテディが犯人であると発見し
テディを殺し復讐を遂げる。

そしてまた復讐を遂げたことを10分後の自分に教えないという選択をして、
10分後にはこの記憶も忘れ、犯人捜しを始めるのだろう。

きっとこれからも復讐を、殺人を重ねていく。
これはもう妻を愛しているからというよりも、
自分の改編した記憶のため、または改編した記憶を真実にするための行為としか思えない。
もしくは、生前はそんなに妻を愛してはいなかったけれど、
何回も復讐を繰り返すうちに、
記憶に残らなくても回数を重ねるうちに、
妻に対する愛情が増していって深く深く愛するようになって、
復讐せずにはいられないのかもしれない。
もしくは妻を深く愛しているということさえ記憶の改編でそれを真実にするために復讐を繰り返すのか。

この映画は記憶ってなに?とものすごく考えさせられる。
そして同時に真実ってなに?事実ってなに?ということも考えさせられる。
人は自分の記憶から、頭から逃れられないのだから。
真実や事実も自分の頭で解釈したものでしかないのだから。

DVDには監督のコメント付バージョンもあって
それで演出の心理的効果とか伏線とかが解説されているのだが、
それを観てもやっぱりちゃんと理解できているとは思えない。
まだまだ私の見逃したことがあるに違いない。
解釈違いもあるに違いない。
私の記憶力と理解力の範囲内でしか私は分からないからなあ。

私も何かを取りに違う部屋にいって何をしにきたのか忘れ、
買い物に行ってお店で何を買いにきたのか忘れ、
ということが日常茶飯事なんだから。

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